妻の「無力化」リスク

このブログ、今まで30万人の方が読んで下さっているようです。また、リピートして何度も遊びに来てくださっている方もおられるようでありがたい限りです。乱文遅筆でお恥ずかしい限りですが、これからも言いたい放題させて頂きますのでよろしくお願いします。

さて、少し前ですが、「働く女性を幸福にしている主夫という男性の存在」をテーマにした面白い記事を読みました。
ある日「専業主夫」になりたいと言われたら... 白河桃子さんに聞く、新しい夫婦の肖像 | ハフポスト
これによると、主夫と稼ぎ頭の妻のカップルの幸福度の高さとは、こんなところからきているそうです。

まず夫婦仲がいい。それから女性たちが好きな仕事に思い切り打ち込めているのが伝わってくる。その原因を探ってみると、夫婦がお互いをすごく思いやっているんです。日本ではまだまだ「夫は仕事、妻は家事・育児」という意識が強いけれど、専業主夫と働く妻のカップルの場合、その役割が逆転していることで、お互いがお互いに「やってくれてありがとう」という気持ちがあるんですね。

■「男は仕事、女は家庭」では、男女ともに苦しい時代に

男性はがっつり仕事をして、女性はがっつり家事育児を引き受ける。それが昭和の家庭の形でした。言い換えれば、片方を無力化することによって強力なタッグを組み、お互いを縛り付けるという側面もあったんですね。だから女性は「稼ぐ」ということに関してはずっと無力だったし、男性は妻がいないと靴下の仕舞い場所もわからなかった。
けれども男女ともに仕事の形態が不安定になっていくこれからの時代は、お互いを無力化しあうようなタッグの組み方は有効ではありません。夫も妻も仕事と家事・育児の両方ができることで、より強い夫婦になれるはずなんです。

ここでは、主夫と稼ぐ妻の話ですが、これ、主夫ならずとも共稼ぎ夫婦にもかなり当てはまることだと思います。
まだまだ女性に対して、毎日の食事を作って欲しい、保育園のお迎えをして欲しい、など家事育児についてリードするのが当たり前だと思う男性が多いようです。一方、私が今まで出会ってきた多くの外資系企業で女性が管理職等でバリバリ働いている家庭、いわゆるどちらも稼ぐカップルの家庭は、夫とか妻の負担を減らすとかいうよりも、もっと大きな視点、つまり家庭全体における家事負担を軽減する工夫をしています。定期的なハウスクリーニングサービスやベビーシッターサービスを積極的に利用しているのです。
私の家庭も、夫の提案で、週1回のハウスクリーニングサービスとベビーシッターを利用しており、それでできた時間をリフレッシュやキャリアへの投資にあてたりしています。私としてもこれらにかなり救われたところがあり、やはり子供が出来てからというもの、毎日の掃除や洗濯、食器の洗い物など尋常ではないぐらいの家事が毎日発生します。まともにやれば1日洗濯や掃除で終わり1日掃除で無駄にしたと後悔することになります。自分に自由になる時間も限りがあり、独身の時みたいに掃除は気晴らしなんて甘いことを言っている場合ではなくなります。この一部分でも外のプロフェッショナルの力を借りるだけでも、毎日の生活の質が格段に向上します。
最近、とある日本の大企業の方々とプロジェクトをご一緒する機会が多いのですが、週1回ハウスクリーニングサービスを利用していると言っただけでも、セレブ扱いされます。(以前の外資系企業では普通にハウスクリーニングを使っている人はたくさんいました。)日本企業の多くの男性たちは、家事というものを家庭の問題として捉えず女性主導にして放置しているのだなあとすごく感じます。
でも、考えてもみてください。外資系の一部企業やごく一部の専門職のやり手の人でない限り、この成熟社会のご時世では、男性がどんなに頑張ったところで、エリートとか言われる人でもこの先年収はせいぜい1千万ちょっとぐらいで頭打ちです。それに家計のメインの財布が男性側のたった一つだけというのも非常に危険です。それだったら家庭の育児家事の問題を家庭全体の問題として投資するなりして解決して、夫だけでなく妻もキャリアを追求できる環境整備をし、妻を戦力化して、今のような、一生「マミートラック」にハマりきった、あくまで家計の補助的な稼ぎしかできない経済的にはほぼ無力な存在からランクアップさせれば、財布は二つ、世帯年収はもっと伸ばせます。このご時世、男性が自分の年収を伸ばすことより、妻を戦力化して家庭全体の年収を伸ばすことの方がずっと簡単で効率的です。上記サービスもそのための投資なら十分価値あるものだと思います。(そしてこういうことがこれからの男の甲斐性、になるんでしょうね。)

さて、私の息子ですが、「母親の味」とかなんとかとは無縁の教育をしております。(私自身、世帯じみた母親臭が全くしないということもありますが)そういう教育をしてしまうと、将来自分のパートナーに対してそういったものを求める腐男子になりパートナーを無力化女子にしてしまう恐れがあるからです。

さて、私、空手を習い始めました。リフレッシュ感半端なく楽しくて仕方がありません。この話はまた後ほど。