女としての矜持 --- 「野心と美貌」

書店で息子の絵本を買うためぶらぶらしていたところ、以下の本が目に飛び込んできました。

帯コピーに、『「野心のすすめ」の続編』と書いてあったので、
「職場復帰を控えた育休中のブルーなあなたへのバイブル」として紹介した手前、これは読まねばときかんしゃトーマスの絵本と一緒にレジへ持って行きました。
職場復帰しました。 - MBAママの育児休暇

さて本編は、一言で言うと、著者の老いとの闘い、過酷なアンチエイジングの記録がテーマなのですが、最近大学時代のゼミの先生から「中年学」についての勉強会の誘いが来たりとかしてアラフォー世代にとって何かと意識せざるを得ないこの「中年」という言葉に現在は恐れやら抗いやら諦めやらが入り混じった複雑な感情を抱くようになっておりました。

今ぐらい年をとるのが難しい時代はないのではないだろうか? 
努力さえすれば女の現役でいられることをみんな知ってしまった。その代わり、努力ということを強いられる。

という刺激的な言葉で始まり、

「貧乏人に美人妻なし。」
女性の美貌、老け具合というのは住んでいる環境、経済状態が大きく左右する。30代ぐらいまではお金がなくても結構若さとこまめさで乗り切り「綺麗な奥さん」と呼ばれる人が多いものだが、40代、50代になったら体力がなくなった分、プロのケアが必要になってくる。こういう時、お金は俄然力を発揮するのだ。

私は初対面から惹き付けられる人というのはやはりおしゃれな人だと思っている。言い換えると、おしゃれではない人に魅力的な人などいないと思っている。
おしゃれとはその人の生き方と深く結びついている。外見はその人そのものなのだ。

と、さらに過激な言葉をちりばめじりじりと追い込んでいく手法は、時には苦笑まじりの爆笑を誘って読むものを惹き付けていきます。
著者のことをおもしろおかしく笑っていると同時に、そういや出産以来、美女力とか女の矜持とかそんなもんを宇宙の彼方に3年近くも置き去りにしてそのまま忘れかけている自分にふと気づきました。
そして、今年のある夏の情景を思い出しました。
今年の夏に母が軽度の脳梗塞にみまわれ突然入院してしまいました。リハビリのため入院は3ヶ月にも及びましたがその間、化粧品の差し入れをすると次の日母はメイクをしてその日はとても調子が良さそうに見えました。父が言いました。「やっぱり女はキレイにしていなきゃダメだ。」
キレイでいる、その意識が女性という生物に与える活気は計り知れないものがある、改めてそう思いました。

確かに自分もこの本を読んでから毎日の意識が変わってきたように思います。活気がでてきたというか、気分があがってきたというか。
最初はこ難しい経済学やらマーケティングの本やら読もうと思っていたのですが、その前に、こういう本を読んでまずは気分をあげておいた方がポジティブに次に進めそうです。

しばらくは、宇宙の彼方に置き去りにしていたものを再び取り戻す旅になりそうですが。