なんとかなるさ、と荒井良二さんの圧倒的な絵本体験

職場のママ同僚グループとランチに行きました。子育てが一段落した人、小学生の子がいる人、乳幼児を抱えている人、とママといっても育児ステージはみな異なるのですが、その日に特に話題になったのは小学生の子どもを持つママ達の苦労話でした。
小学校に入ると、

  • 学級閉鎖して子どもは元気なのにずっと家にいなくてはならない。
  • 2時頃学校が終わってしまうので以降の時間を毎日異なる習い事で埋めている。
  • PTA役員、通学路の交通安全旗ふり当番がもれなく回ってくる。

etc.etc...台風だろうと大雪だろうと朝から晩まで面倒を見てくれる保育園とはかなり事情が違ってくるようで仕事を持つママの悩みの種が増えるようです。
聞いていてなんだかそら恐ろしくなってきましたが、自分のケースを思い返してみると...
つい数年前まで自分には子どもの世話なんか無理だ、と思っていたものがいざママになってみると盤石な夫婦協力体制を敷いて今までまあなんとかなっているし、子どもができる前より今の方が確実に忙しくなっているのに家の中は今の方がキレイで片付いているし、今の方がより効率的になって短い時間で大量の仕事を片付けることができるようになっているしで、まあ、要するに、人間そういう状況になったら生き延びるために頭を使ってどうすれば乗り切れるかを考えるようになるわけです。

1. 子どもができた→どうすれば育児と仕事を回せるか夫婦でプロセスづくりを否が応でも考える+実行するようになる。
2. 今の方が家がキレイ→子どもがいない時は仕事や勉強や旅行に主に意識がフォーカスしていて(要するに外出が多く意識が家の中ではなく外に向かっていただけ。)、子どもができると家で過ごす時間が増え、やらなければならない家事も山盛りになるため自ずと家の中を快適に心地よく過ごしたいという意識が芽生え(=意識が家の中に向かうようになる。)快適に過ごすためのインテリアを追求したり、どのようにしたら家事をストレスなく効率的にこなすことができるかについて考えたりしているから家はいつもキレイな状態になる。
3. 短時間で大量の仕事をこなして帰る→これもお迎えがあるので何時までにこれだけは絶対仕上げなくてはならない、といった厳しい制約事項が前提となると、どうすれば仕事を終わらせることができるかについての方法論や働き方を考えて実行するようになる。こういった働き方は残業してやればいいやと残業が前提となっている思考回路の人たちには絶対にできない。

意識を何にフォーカスするかが重要で、自ずと自分を含め人って生き延びるため(=自分がいいと思う方向で物事を進めるため)に状況が変わればそのフォーカスした意識に従い対処法を考える生き物なのでまあ、別に小学生問題がやってきてもなんとかなるんじゃないかなあと、(まだ先だし)そら恐ろしさも一瞬でどっかに忘れ去ってしまいました。

さてここからが本日の本題。数々の名作絵本を世に送り出している荒井良二さんの絵本。息子の入眠前の新しいお気に入りはこれ、「たいようオルガン」。

本の帯コピーにあった「圧倒的な絵本体験」という言葉がまさにピッタリの美しい芸術的な絵本です。目の眩むようなビビッドな世界に吸い込まれてしまいそうです。
めくるめくビビッドな世界を旅する「ゾウバス」が息子でありまた立場によっては私であり夫であり、それを見守る「たいようオルガン」が私であり夫であり親でありと読み進めるにつれていろいろな気持ちが溢れてきて涙が出そうになります。

また、私が好きなのはこの美しすぎる絵本、「あさになったのでまどをあけますよ」↓

息子の大のお気に入りはこの愛らしすぎる動物さんたちのシュールな絵本、「そのつもり」↓

胸がいっぱいになるのでここではもう多くを語りませんが、私にとってもまさに「圧倒的な絵本体験」でした。こんな子ども向けの絵本がこの世にあったのか!という衝撃でした。従来の絵本と次元が違うというか、昔の絵本特有の変な説教くささはなく、子ども向け絵本といった趣旨でもない。それにこれらの絵本の根底を流れる独特なわけの分からなさもたまらない。
装丁もどれもオシャレで部屋に飾ってしまいたいぐらい。たいようオルガンは表紙カバーを外すと(息子がよく外す)またガラッと雰囲気の変わった美しい装丁が現れてびっくり。

今週は、夫が大学院の中間試験期間中の臨戦体制で時間に融通をきかせてくれたお陰で、毎日クルマで送り迎えしてもらえて本当に助かった。(雪の日の子どもの送り迎えとは本当にキツいので。)あまり歩いていない上、今日も寒すぎてNight Runには行けなかったので運動不足が心配です。明日は行けるといいんだけどな。