使い捨ての女たち。

※注意
産後働くか働かないかは個々人の事情や考え方によるものだし、また、子育てや介護、将来の夢のための準備など、さまざまな事情で派遣社員等の非正規雇用を選択する方も多くいます。ライフステージによって働き方を自ら選択できることは良いことだと思いますし、それが実現できる世の中であるべきだとは思います。
一方、望んでいないにも関わらず、何年も派遣社員として働いている方も多くいます。今日はそういう方たちだけ読んでください。
※注意終わり

一時期、facebookのタイムラインに、以下のような主旨のポストが一度にたくさん表示されたことがありました。

「今日が最終出社日です。この職場で素晴らしい仲間たちに巡り会えて本当に幸せでした。これからは出産、育児に頑張ります!」
書き込みには、たくさんのお餞別のプレゼントや花束が所狭しと並べられた写真が添えられています。

いわゆる私のfacebookアカウント上での妊娠出産報告バブルの時期だったのでしょうが、おお、君もだったのか!と心からおめでとうと嬉しくなる反面、このようなポストを目にする度に、複雑な気持ちになりました。

      • 果たして彼女たちは、本当に辞めたかったのだろうか?
      • 彼女たちは、どうして辞めざるを得なかったのか?

出産後、本当に育児に専念したいという方ももちろん少なからずいることでしょう。そういう方々には心からお疲れさまだと言いたい。
しかし、出産後1、2年を経て職場復帰したいと考えているにも関わらず、復帰が認められず退職を余儀なくされている方が少なからずいるとしたら? そして、それが非正規雇用という身分であるが故だとしたら?

派遣先の上司からの「君には本当に助けられているよ。」という(言うだけなら無料の)甘い言葉のもとに何年も派遣社員のまま都合のいいように使われ、いざ出産するとなったら産休も育休も認められずはい、さようなら、と当たり前のように退職に追い込まれる。
ささやかな感謝(とお詫び)のしるしとして、「ありがとう、お疲れさま」という言葉と、ささやかな花束やお餞別をもらったところで、あなたのキャリアはその程度の安いものだったのでしょうか?使い捨てられるようなものだったのでしょうか?
その上司も本当にあなたを評価していたのなら、お別れパーティの代わりに、手を尽くしてあなたを正社員にしてくれたはずです。
私だったら、1年経っても派遣社員のままだったら、さっさと見切って社員になれそうな見込みがある別のところを探します。

今まで日系企業数社、外資系企業数社を経験してきたのですが、伝統的な日系企業、もしくは、大昔に日本に進出してきてほぼ日系企業化している外資系企業に、派遣社員として雇用されると、下手をしたら5年も10年も平気で派遣社員の身分のままで放置されるケースが多くあります。こういった企業はあまり派遣社員を積極的に正社員に転換するモチベーションが高くないようです。
一方、外資系企業は、最初は派遣社員などの身分で雇用し、優秀な人材であれば後に積極的に正社員に転換しようとするモチベーションが高い傾向にあるようです。環境にうまくハマって評価されれば、早ければ3ヶ月、遅くても1年ぐらいで正社員になれるケースが多くあります。
え?外資系企業って終身雇用じゃないって?
大丈夫です。たとえ日系企業であっても、その会社はあなたが定年するまで存在なんかしてませんから、安心してください。
ダイバーシティ教育。 - MBAママの育児休暇

何度も言いますが、別に非正規雇用がよくないといっている訳ではありません。ただ、これから妊娠/出産を経て子育てしながら働く場所の選択肢のひとつとして、産休/育休制度が整備されており、時短勤務やフレックスタイム勤務、在宅勤務が認められる会社の正社員として働くことも検討の対象としてみてください。
妊娠して仕事を辞めようと思ったら。 - MBAママの育児休暇

そして上記の理由から選択肢のひとつとして外資系企業にもチャレンジしてみてください。もちろん日系企業に比べ仕事の要求水準が高いことが多いので、1ヶ月で契約満了してしまうかもしれません。でもそしたらまた次を探せばいいだけです。そのうちひとつでもハマればもうけものです。

大切なのは、思いきって環境を変えてみることです。
もし(望まないのに)1年以上たっても派遣社員のままだったら、「いつも頼りにしてるよ。」という甘い言葉であなたを安く使い倒そうとする派遣先の上司をさっさと見限り、つまらない餞別やお別れパーティでキャリアを台無しにされる前に、環境を変えるべく活動するべきです。

大切なのは、「職場の花」としての栄誉や、「お友達関係」ではなく、あなたと、あなたのお子さんと、(場合によっては)あなたのダンナ様を食べさせていくスキルを磨く事と、子育てしながら働き続けられる環境をゲットすることなのですから。

本屋でタイトル買いしてそのまま平和な金曜の午後に一気読みしてしまった本。多少の誇張はあるけど、参考になるところもありますよ。
外資系の流儀 (新潮新書)