奴隷になるための勉強

週末は、近所の散策に出かけました。
自然教育園は、野ばらが咲き乱れていました。私の実家の周りにもたくさん咲いているノスタルジックで大好きな花。頭の中でシューベルトの野ばらのフレーズが流れます。

また、お隣の庭園美術館へも足を伸ばしました。子供の頃から大好きなイタリアルネサンス系の企画展「メディチ家の至宝」がやっていてもう大喜び!

存分に緑を浴びることができました。
子供の頃から歴史や美術が大好きだったのですが、今はその感性を存分に活かせる仕事に流れ着いて本当に感謝しています。

さて、先日も紹介した瀧本哲史さんの「戦略がすべて」の中に、「英語・会計・ITは奴隷になるための道具だ。」というくだりがありました。世間的には、これらはビジネスパーソンに必須の道具だとされています。しかし、瀧本さんによると、数値や点数で計測され、同じ物差しで容易に人と比較されてしまうようなスキルは簡単にコモディディ化するそうです。
これを見て、私は、以前、自分のチームに派遣社員を雇おうとして人材会社に依頼した時のことを思い出しました。
私のところにたくさんの職務経歴書が寄せられ、皆、TOEIC○○点、タイピングスピード○○字/分、○○検定○級、PCスキル(Excel, Word, etc) etc...云々と、フォーマットにいろいろな数字が羅列されていました。私は唖然としました。こんなんで横一列に比べられたら私なんて派遣社員すらも務まらないじゃん。。。確かにビジネスマンの3種の神器とされていた「英語・会計・IT」は数値横並びで一発比較されてしまいます。これだけを売りにしていたら即スキルがコモディティ化し労働単価の価格競争に巻き込まれるでしょう。
もちろん、これらができた方がいいに越したことはありませんが、それぞれ単体では労働市場で買い叩かれるため、他の専門性と組み合わせて自分の売りにしていく必要があります。
私の場合は、「クリエイター的な感性」x 「ブランディング」x「経営者的なビジネス目線」x 「ITリテラシー」の掛け合わせで今後生き残りをかけようかと思います。
以前は金融機関のITアナリストだったのですが、そろそろ違う仕事にシフトしたいと思いMBA留学しました。しかしながら卒業後はリーマンショック後の未曾有の不景気で、希望していたブランドのマーケティングの仕事どころか仕事そのものを見つけることが困難な状態。なんとかキャリアブランクを作らず待遇も下げずにIT系の管理職として再就職し、その後紆余曲折を経て幸運にも外資系のラグジュアリーブランドのマーケティングのマネジャー職を得ることができました。その後転職し現在のインテリア系企業のブランディング統括の仕事に至ります。
誰にでも基準が分かるような、横並び比較されてしまうようなスキルを売りにすることはせず、そういう土俵に乗らないようにして、私なりの能力の掛け合わせで、唯一無二の、人工知能でも対応不可能な専門分野を自分なりに確立していきたい、そう思うのです。