プライオリティ

会社のラーニングウィークということで「プライオリティ」という研修を受けました。
フランクリン プランナーで有名な研修会社のフランクリン コヴィー社から講師が会社に派遣されてきていました。
実はこの研修、約3年半前に息子の妊娠が発覚した直後にも受けていて(そのときは「タイムマネジメント研修」という研修名でした。)、私の人生に大きな影響を与えた最も面白かった研修の一つです。人生の節目にふたたびこの研修を受けることになって本当に感慨深いものを感じます。

忙しい忙しいと時間に追われてただ漫然と日々を過ごしていると、「ああ今日も将来につながるような生産的なことを何もしなかった」と自分の生活をコントロール(=manage)できていないことにストレスを感じ、自分の人生への満足感が低くなる。
日本人はよく忙しいことがいいことだみたいに錯覚しがちで「忙しい?」とお互いに挨拶し、さも忙しさがステータスであるかのように思っているようだが、これは、何が重要か分からないから全てが重要に見え、すべてをやらねばならないという脅迫観念を覚え、すべてをやろうとすると忙しすぎて何が本当に重要なのかを考える時間がなくなるという『緊急中毒」の悪循環に陥っているという最悪のケースである。

「このセミナーでは、あなたが最優先事項を明確化し、それにフォーカスし、実行するためのお手伝いを致します。」(->その結果満足度の高い人生をおくれるようになる。)
研修自体は丸一日かかったのですが、私自身の再整理のためにも、超短くエッセンスをまとめます。

1. 時間管理のマトリックス --- 重要領域で生きる

(出典: FranklinCovey -- Achieving Your Highest Priorities)

第1領域: 必須事項(緊急事態)
第2領域: 生産性とバランス(緊急ではないが自分の将来を見据えた投資、生産的活動)
第3領域: 緊急=重要だと錯覚しがちな事項(さほど重要でない割り込み、中断)
第4領域: 非生産的事項(時間の無駄遣い)

さて、あなたの現在の生活で一番時間を割いている領域はどれでしょう?

第1領域ばかりだと人生がストレスだらけになり疲弊します。そして毎日がもう忙しすぎて疲弊したため休日はぼーっと一日中テレビをみて終わってしまうといったように、第1領域が増えるとおのずと第4領域も増えてしまいます。
第3領域や第4領域ばかりだと「私の人生っていったい何なの?」と満足度が低くなります。
満足度の高い人生を送るためには、いかに、第2領域を増やしてその他の領域を減らすか、にかかっているそうです。また第2領域にしっかり時間を割いているといろいろな準備整ってきておのずと第1領域も減っていきます。
自分の時間(=人生)をしっかり管理するには、以下を心がける必要があります。

第1領域: 管理する(=manage)
第2領域: フォーカスする(=focus)
第3領域: 最小限に止める(=minimize)
第4領域: 避ける(=avoid)

2.生産性のピラミッド --- 価値観の明確化

(出典: FranklinCovey -- Achieving Your Highest Priorities)

  • 価値観の発見、明確化

あなたの価値観を発見するための以下の6つの質問に答えます。(参考として私の回答をA. にて載せておきます。)

あなたが、個人生活、職業生活を通して、
Q1. 生きること: 肉体的、経済的な面で、もっとも大切だと思うものは何? (A. 健康、経済的自立、成長、美しさ/洗練さ)
Q2. 愛すること: 社会、情緒的な面で、もっとも大切だと思うものは何? (A. 家族への愛、友情、感謝)
Q3. 学ぶこと: 知的、学術的な面で、もっとも大切だと思うものは何?  (A. 幅広い教養、専門技術/スキル、情緒/感性の研磨)
Q4. 貢献すること: 人生の遺産として何を残したい?          (A. small luxury豊かな生活の提案者、啓発者、教育者、楽しい妻と母)
Q5. 尊敬する人: 尊敬する人は誰?                  (A. 夫、父、アナ=ウィンター)
Q6. 理想の人間像: あなたの理想の人間像はそのような性格、特性を備えている? (A. 信頼/誠実さ、大胆さ、行動力、聡明さ、責任感)

上記の回答が、あなたの価値観(=人生において大切にしたいもの)を形成するものらしいです。

  • 目標の設定

自分の価値観をもとに、実現したい目標を設定します。設定方法の例を挙げてみると、

価値観: 健康
目標: 年末までに身体の悪いところ、気になるところを全部改善する。
ステップ:
1. 気になっていたピラティススタジオに入会し、毎週1回は昼休みにスタジオに通う。(3/6まで)
2. 健康診断を受ける。(1/10まで)
3. 歯医者に行く。治療後は3ヶ月に一度、クリーニングに通う。(1/20まで)
4. 花粉症改善のため、耳鼻科にてレーザー手術を受ける。(1/30まで)
5. Night Run to 東京タワーを週1回のペースで続ける。(12/31まで)

  • 週間計画/日々の計画

目標達成のため、行動計画を週間、日々で落とし込んでいくのですが、その前に、自分の役割を見直します。
例えば私の場合、妻、母、娘、女、友人、マネージャー、の役割を担っています。
そして、その役割ごとに、一週間をスケジューリングしていきます。各役割を意識した計画を立てることでバランスのとれた人生を歩めるそうです。
例として、研修テンプレートに従って、私の先週の週間計画を書いてみます。

週間計画:(刀をとぐための行動計画)
肉体: ピラティスに行く。Night Run to Tokyo Tower。
社会、情緒: XXとランチに行く。XXの会合に出席する。
知性: XXとXXとXXの本を読了する。
精神: ルーブル美術館展に行く、インテリア雑誌研究をする。

妻: 夫の出張をサポートする。温泉旅行の予約。
母: 保育園の保護者会の参加。週末のイチゴ狩りの予約。
娘: 母に電話する。次回検査の付き添いのための予定の調整をする。
女: ヘアサロン/ネイルサロンの予約をする。気分が上がる好きなブランド服を買う。
友人: XXとランチに行く。XXの会合に出席する。
マネージャー: 本社からの重役ビジターへのプレゼンを準備し発表する。

そして、週間スケジュールに、「大きな石」を見なされる予定を先にどんどん入れていきます。
大きな石の定義は、重要タスク、アポイントメント、集中的に取り組む課題、だそうです。(これを第2領域のものに持っていくのが重要。)

そしてさらにこれを日々の計画に落とし込んでいくわけですが、手順は、
今日のアポイントメントを確認する、現実的なタスクリストを作る、タスクに優先順位を作る、となります。

私の場合、先週は夫の海外出張中でもう育児にてんてこ舞いだったのですが、それでも、日々の業務をこなし、パスポート更新、重役へのプレゼン、power/social lunch、会社のトレーニングへの参加、ヘアサロン、ピラティス、読書、ブログ更新、インテリア雑誌研究、ショッピング、保育園の保護者会への出席、Runningと大変いろいろなことができ、密度の濃い一週間を送ることができました。
妊娠前、この研修を受ける前の私では、おそらく「仕事が忙しい」ことを理由にして仕事以外のどれ一つ成し遂げようとしなかったことでしょう。

このプライオリティ研修には、フランクリン プランナー(いわゆる手帳)の使用が前提となっているのですが、私的には、重いしデザインもイマイチだしもっとプロセスを簡略化させたいしということで、以下のいわゆる普通の手帳を使っています。小さくて軽いし、カラーリングもオシャレだし、紙質も良いしで毎年リピして愛用しています。もともとモレスキンが好きで愛用していたのですが、日本の祝祭日の記載がないので今年はクオバディスのビビッドなイエローのものを使っています。妊娠前までは手帳なんて使っていなかったのですが、やはり一覧性、更新しやすさ、アクセスの良さではi-phoneのスケジューラに勝るものがあります。

さて、上記のプライオリティの概念ですが、以下のスティーブンコヴィー博士の著書にまとめられているようです。(私はまだ読んではいないのですが。)興味のある方はぜひ。

私も、「ザ 世界一忙しい部類の人種」ワーキングマザーのはしくれとして、忙しい忙しいを合い言葉とせず、自分にとって優先度の高いことに対してさらなるリソースを割くべく日々精進してまいりたいと思います。

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