職場復帰のその先に立ちはだかるもの

うっかりムスコにキーボードの上に化粧水をかけられ、私の5年もののMacBookは即ショート、夫がApple storeに修理に持ち込んでくれたところ修理代は8万円とのことで。。。結局夫にスクリーン小さめの新しいMacBook Airをプレゼントしてもらったことでまた皆様にお目にかかることができました。ムスコの軽いノリのいたずらは思った以上に高くつきました。。。

さて、以下の記事の題名を見て、ほんとそーだよなーと思いました。
「すごく頑張る女性だけが自分の思いを叶えられるという状況を解消したい」~国会議員が待機児童問題を語る

といってもこの記事で言われている待機児童の問題ではなくその先の、ワーママとして社会復帰した後の問題にです。
「労働は時間ではなく成果である。」と言われて久しいですが、まだ大手の日本企業や(NYに上場しているような)アメリカ系企業などには「show your commitment! (執念を見せろ)(私訳)」風な文化というか風潮がまだまだ強いと思われます。そこでは、「自分は能力がないので、毎日始発で出勤し終電で退勤する生活を続け意欲をアピールすることで周囲からの信頼と評価を勝ち得ました。」とか、「仕事への意欲を見せるために、私は早朝や深夜に仕事メールを送信して意欲をアピールしています。」などとのそら恐ろしい話がまことしやかに語られます。
また、あのシェリル=サンドバーグさんも著書の「LEAN IN」の中で、「育児休暇後に職場復帰した際、6時で退社することでクビにならないかと毎日ビクビクしていた。」と書いています。
所詮仕事の成果なんぞ普通の人間が評価することですから、仕事は成果だとかいっても、人がたくさんいると結局自分の目に見える範囲でかつ自分の感情に訴える分かりやすい事象を判断材料にしてしまいがちです。実際の成果は分かりませんが、XXさんは毎日遅くまで残って仕事をしてよく頑張っているからきっと意欲もあって会社に貢献しているなぁ、なんて雰囲気で評価してしまいがちです。
ただ、そんなことが評価材料なんかにされていたら、時間的制約の中で成果をだそうとしているワーママの皆さんにとっては非常に迷惑な話ですし、プライベートの全てを仕事に投入できる「すごく頑張る」人たちの画一的なスタイルだけを評価軸としていては、様々な事情やバックグラウンドを持つ人たちの活躍の場を奪ってしまい多様な人材を引き寄せることすらできなくなります。そして目前に迫っている大量介護時代とか労働人口減とかの社会現象に対応すらできないでしょう。
だらだら長時間残業している社員は阿呆だぐらいの雰囲気になればいいんでしょうかね。
ワーママはじめ多様な人材が活躍できるための「制度」の次は、それを支える「文化(雰囲気)」の整備、それが揃わないと絵に描いた餅になってしまいますね。

さて、著者が故郷の「新潟の星」、ということでずいぶん前に夫がkindleで購入したビジネス書↓を読んでみました。

著者の起業にまつわる失敗談とそのlesson learnedが赤爛々とおかしく書かれていて本当に面白かった。一気に読んでしまいました。ご本人と社員の仕事への献身ぶりがひしひしと伝わってきました。この先、こういった猛烈な会社が社会的意義を担う企業として成熟していく過程で、(猛烈社員以外にも)どのように多様な事情を抱える人材を惹き付け活用し、向き合っていくのかが楽しみです。