悩める職場復帰ママに捧ぐ本

さてムスコ、2月に職場近くのインターナショナル保育園から自宅近くの区の認可保育園に転園して、今日でちょうど3週間になります。
いろいろと融通のきく保育園から、私立とはいえいろいろと区のルールがある認可保育園への転園にあたり最初はいろいろと戸惑い混乱しましたが、なに、3週間も経つといろいろと慣れて細かいことなんてもうどうでもよくなりますね。前の保育園も素晴らしかったけど、今の保育園も負けず劣らず素晴らしい。なんていったって自宅に近い!
もともと昨年の職場復帰前に駆け込みで区の認可保育園の2次募集に申し込んだものの入れず、近所の認証保育園もウェイティングリスト80人待ちとかで、結局ご縁があって何かと便利な職場近くのインターナショナル保育園に入れることにしたのですが、そこから離れた今になって思えばなんか独特で面白い世界でした。
保育園の入り口はシークレットサービスみたいなダークスーツの警備員が見張り、レセプションエリアではみな英語メインで会話し、フェラガモやトリーバーチのフラットシューズが並び、東南アジア系のナニーが何人か送り迎えに来て、外には毎日高級外車で送り迎えに来る人々がいる。。。保育士さんも教育プログラムもバイリンガル。。。そうこうしている間に今年になり、昨年の申し込みが1年間は有効だとかで、港区の認可保育園新設スーパーラッシュの恩恵もあり新設ピカピカの保育園に2月入園で内定しました。1年間通った以前の保育園も内容が良かったのでかなり悩みましたがやはり自宅に近いという魅力は何ものにもかえられず転園を決めました。
以前に比べて今の保育園はみな地に足がついていると言うか、癒されますね。まともな世界に戻った感じです。

さて、私自身、転園が引き起こした各種混乱もあり、仕事が大変だったこともあり、といろいろと精神的に参ってしまっていたときがありました。
職場復帰後のママは誰でも悩みが尽きることがありません。自分のやりたいことと子育てとのバランスに悩み、他の人みたいに無尽蔵に残業が出来る訳でもなく仕事のパフォーマンスに対してもどかしい思いをしたり、子どもの病気で職場を休まざるを得ず申し訳ない気持ちになっているところに追い打ちをかけるように周囲からの心ない言葉で傷つけられたり、お迎えが遅くなったときに子どもに対して申し訳ない気持ちになったりと毎日かなり精神的にぐっとくる場面に遭遇していることと思います。
ちょっと参っていたとき、夫が、「たまには安っぽいビジネス書でも読んでみる?」と冗談半分に買ってくれたのがこの本でした。


(単行本、kindle版どちらもあります。あ、もちろん私は本はkindleで読みます。場所とるのが嫌なんで。)

弱ったココロに刺さります。。。
私にとっては安っぽいどころかかなり衝撃的な本でした。そして30代でかつママになった今だからこそ理解できる世界観だと思いました。
人生を幸せに生き抜くためのコツについて「アドラー心理学」を通して謎の哲学者とうだつのあがらない青年の対話形式で解明されていきます。
結構長い話で、本文は対話形式で書かれていてもっと面白いのですが、(身も蓋もないですが、)簡単にまとめると以下のようなポイントになります。

1. トラウマは存在しない。
過去に支配されてはならない。人の現在は過去の経験によって決められるものではなく、その人自身が自分の目的に沿って人生を選択しているにすぎない。過去がどうであろうと人は変われる。
(例)引きこもり青年は過去のトラウマが原因で引きこもっているのではなく、引きこもることで親の注目を集めることができるという目的があるから引きこもっている。

2. 全ての悩みは対人関係に集約される。
対人関係の中に「競争」があると人は対人関係の悩みから逃れられず、不幸から逃れることができない。他者全般のことを「敵」だと見なすようになる。「人々は私の仲間なのだ」と実感できていれば、世界の見え方はまったく違ったものになる。
劣等感は他者との比較から生まれるが、我々を苦しめる劣等感は客観的な事実ではなく、主観的な思い込みである。
健全な劣等感とは、他者との比較から生まれるものではなく「理想の自分」との比較から生まれるもの。
誰とも競争せず、自らを高める事に集中し、ただ前を歩いて行けばいいのです。

3. 他者の課題を切り捨てる。
これは誰の課題なのかという観点で考える。自分の課題と他者の課題を分離していく必要があり、他者の課題には踏み込まない。これが誰の課題かを見分ける方法はシンプルで、「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?」を考えることである。

4. 承認要求を否定する。
「あの人」の期待を満たすために生きてはならないし、我々は他者の期待を満たすために生きているのではない。
自由とは他者から嫌われることである。他者の評価を気にかけず他者から嫌われることを怖れず承認されないかもしれないというコストを支払わないかぎり、自分の生き方を貫くことはできない、つまり自由になれない。

私的に特にヒットしたのは、3. 他者の課題を切り捨てる。です。
例えば上司があなたのことを嫌っていたとしても、それは上司が解決すべき課題であってあなた自身の課題ではない、ってな感じです。
いままで自分自身いろいろな課題を背負い込んでしまい自分でかなり人生を複雑なものにしてしまっていたように思いますが、この言葉のおかげで人生がもっとシンプルで軽くなったような気がします。

この他にも、弱った心にちょっとささる本ありました。ノートルダムのベテランシスターによってまとめられた本ですが、やっぱり上記と似たようなことがもっとやさしく書かれています。

(kindle版ももちろんあります。)

「置かれた場に不平不満を持ち、他人の出方で幸せになったり不幸せになったりしては、私は環境の奴隷でしかない。
人間と生まれたからには、どんなところに置かれてもそこで環境の主人となり自分の花を咲かせようと決心しました。それは「私が変わる」ことによってのみ可能でした。」

弱った心にはなんとも刺さるお言葉です。。。
確かにいくら本を読んでもそれを自分の中で咀嚼し消化して吸収していかないとあまり意味がないのかも知れませんが、
それでも刺さる言葉にずいぶんココロを軽くしてもらい助けられて毎日乗り切れた気がします。
ココロが弱った職場復帰ママの皆さんにもそういう一冊が見つかるといいですね。

ちなみに、職場復帰を控えてブルーな気分のママにはこちらをお勧めします。元気がでますよ。

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職場復帰しました。 - MBAママの育児休暇