ママは仕事を休めるか?--- 震災時の外資系企業の態度を振り返って思うこと。

オフィスビルが半分観光スポット化しているため11月からクリスマスをテーマにした国内外のアーティストの不思議なめくるめく力作の競演をほぼ毎日嫌というほど目にしていたせいか、クリスマス当日になってもなんかそういう気分になりません。多分クリスマスに到達するとっくの前にもうお腹いっぱいになってしまったからでしょう。
でも、しっかりムスコにはプレゼントに「ミニカー緊急車両セット」を買いましたよ。いまサイレンカーにハマってるんです、彼。
そしてクリスマスの余韻に浸るまもなく街はもうお正月準備にまっしぐら。クリスマス一発勝負の欧米と違って、季節ごとにイベント目白押しで楽しいですね、日本。

さて、震災後、一時期落ち着いていたのに、最近やたらと震度4,5レベルの関東地方の地震が多いなあと思います。

この国は、地震や台風、大雨、大雪など様々な災害が季節のたびに律儀にやってきます。
そしてその度に、従業員の安全確保のために、職場は事業を継続するか/オフィスを閉鎖するか、要するにその日は台風がやってくるって分かっているんだからいっそのこともう会社休みしてしまおうか、それとも各従業員(または事業部)の判断に任せるかなどの決断を迫られます。

そういう騒ぎを見聞きする度に、約3年前の震災直後のことを思い出します。
震災直後、オフィスはクローズし、従業員は自宅勤務になりました。近所に住む同僚と自宅マンションに集まって仕事をしていると、それぞれのルートから様々な他の会社の状況が伝わってきました。
あるヨーロッパ系の会社は社長が幹部を引き連れて逃げ回り日本各地を転々としていた、あるヨーロッパ系の会社は欧米人社員を本国に避難させるためチャーター便を飛ばした、あるアメリカ系の会社は医薬品を届けるため社員をすぐさま被災地に派遣した、あるアメリカ系の会社は地震の翌日に4億円を日赤に寄付した、etc.などなど。
中でも印象深かったのは、様々なメディアでも話題になった、あるアメリカ系の大手投資銀行の震災直後の姿勢。
他の外資系金融機関が慌てふためいて外国人社員が逃げ回っている中、この会社は、「こういう有事のときこそ東京に留まって、お客様の信頼を勝ち得よう!」と全社員に檄をとばしたそうです。これについては各メディアで物議をかもしたようですが、私が思うには、実際に誰も当時の状況がよく分かっていないところで会社がただやみくもに社員が逃げ回るように煽るのは余計に混乱を助長するだけだし、この会社が入居するオフィスビルはおそらく日本で最も災害に強い最強のビルなので社員はここで業務を遂行している方が安全だったのでしょう。それに、いざという有事の時に社長や幹部が慌てふためいて真っ先に逃げ出すような会社とはあまり顧客としてお付き合いはしたくありません、特に信用を第一とする金融機関ならなおさらです。
そして震災後に東京に踏みとどまったこの会社は見事に日本の顧客からの信頼を勝ち得て、その後未曾有の好業績を収めることとなります。
私は、あの震災後に日本における外資系企業の真価が問われたと思っています。
日本が大変な時に踏みとどまり日本の顧客のために業務を遂行した会社は、その姿勢に対し顧客から信頼を勝ち得て日本市場での地位をより確固たるものにしていきました。
もちろん、会社としては社員の安全確保が第一ですから、その場所が明らかに危険だと分かっているにも関わらず社員に労働を強要することは望ましくありません。有事の際にビジネスを継続するかストップするかについての会社の判断はどちらの選択も正当な理由がある上ならば尊重されるべきです。しかしながら、あのような状況でも、冷静に分析し状況判断した上でのビジネスへのコミットメントが各企業のその後の明暗を分けてしまったことは明らかです。
顧客は誰でも、いざというときでも仕事を放り出さない、頼りになる人と取り引きしたいと思っているのです。

(状況レベルはかなり違ってしまいますが)、こういった姿勢について、ワーキングマザーでも似たようなことが言えるのではないかと思ってしまいます。
特に乳幼児を抱えたワーキングマザーは、毎日のように保育園からばい菌をもらってくるなどして子どもが頻繁に熱を出したり感染症にかかるため、とにかく仕事との両立に頭を悩ませることが本当に多い。。。子どもの看病のために仕事を休みがちになるママもいることでしょう。
しかしながら、仕事の取引先にとっては、相手がワーキングマザーかどうかなどは関係なく、とにかく滞りなく仕事を進めてくれる人でないと困ってしまいます。
もちろん、乳幼児を抱えるワーキングマザーはそうでない人と比べて格段に状況が違います、子どもが小さいうちは他の人と同じようにはいきません。乳幼児はとにかく病気になりがちですし、病気になったときぐらい子どもについてあげていたいというのは母親共通の本音でしょう。しかし、私たちは乳幼児の母親であると同時に、組織の中で責任をもつ労働者でもあります。同じワーキングマザーでも、頻繁に仕事を休む人よりも、いざというときに仕事を放り出さず頼りになる人、信頼して仕事を任せられる人に、よりやりがいのあり、収入の高い仕事が回ってきやすくなるのだと思います。
もちろん仕事が全てではありませんし、子どもが病気のたびにいくら休んでも許される職場なら一時的に甘えてしまうのもいいでしょう。
ただ、育児と両立した上で、少しでもやりがいのある仕事を長く続けたいと思うなら、子どもが病気になる度に仕事を休まなくても済むような体制づくりに投資すべきです。顧客はとにかくコミットメントのある人に仕事を頼みたいものですから。

私は病児保育には以下のサービスを使っています。
認定NPO法人フローレンス | 新しいあたりまえを、すべての親子に。
決して安いサービスではないですが、投資だと割り切っています。いざというときは非常に頼りになりますし、精神的にも余裕ができます。

私の両親は遠方に住んでいるのですが、以前たまたま実母が家に遊びに来ていたときに子どもがマイコプラズマに感染し、仕事の間、母に看病をお願いしたのですが母も感染してしまい、その後長期にわたって具合が悪くなってしまったことがありました。
また、同時期に昔の上司(60代)がマイコプラズマの孫を預かって奥さんに感染してしまい、その奥さんが肺炎で入院してしまった話を聞いたせいもあり、子どもの病気は大人が罹ると重篤化することを思い知らされたので、病児保育を親に頼ることはせず、上記のような組織として支援してくれるところにお願いしています。
まあ、この他にもいろいろかさんでもう六本木に部屋借りられるんじゃないかと思うほどですが、これも投資です。長期的に見ればきっとペイしますよ。そう信じてます。。。

関連記事はこちら↓
乳幼児の風邪対策 - MBAママの育児休暇

ママの免疫力アップ大作戦 (マヌカハニー編) - MBAママの育児休暇