「鍛えられた翼は強い。」

「鍛えられた翼は強い。」
妊娠する前、週末やちょっとした休暇のたびに夫と車で北へと南へと国内旅行をしていた時期があり、(週末ドライバーなのに、結局1年間で35000kmぐらい乗っていた。)東京へとあと一歩のところの談合坂とか海老名とか美女木とかの渋滞した高速道路の上でよくぼんやりとJ-WAVEを聞いていました。ちょうど妊娠する直前ぐらいの時期に、番組の間でよく狂ったようにANAのコマーシャルがガンガン流れていて、その締めくくりの言葉が、「鍛えられた翼は強い。」でした。
何百回も聞かされたのと、ヘリコプター2機から始めて今まで役所とかJALとかにさんざんイジメ抜かれてきてもよくこんなに立派な会社になるまで頑張ったね、という感慨もあったのとで、妙に印象に残る言葉でした。

なんで突然こんな言葉を思い出したかって?
そういや昨日偶然こんな記事を読んだからだった。
シングルマザーをロールモデル人材に! ──仕事も育児も当たり前にできる社会へ

この記事の著者は人材紹介会社を起業されていて、
「シングルマザーは精神的にタフでモチベーションも高いと紹介先企業から高い評価を得ていて引き合いが多い」そうです。

そしてさらに私の思考の翼は飛躍しつづけ、夫とのある日の会話の記憶へと。
夫曰く、「女子校出身の女性はすぐに分かる」そうです。彼によると(もしくは、彼が目にしたどこかの学術論文によるとかもしれませんが。)
「女子校(女子大/女子高)出身の女性はリーダーシップに優れているという特徴がある。なぜなら、共学校ならば男性がリーダーシップをとかく取りがちだが、女子校は男性がいないので女性がリーダーシップを取らなくてはならない。また共学なら男性がやるような仕事も女子校では女性がせねばならないため、おのずとリーダーシップを身につけざるを得ない。」
。。。なるほど、そういわれてみれば、私の周囲にいる、素敵だなあ、カッコいいなあと思う女性はことごとく女子校出身者だったりする。
それに、世に聞く成功している女性起業家も女子校出身者が多いように思う。
私も高校までは女子校で、在学中は女子校ならではの悩みがあったり、「タッチ」みたいなゆるーいアバンチュールをいちゃいちゃ経験したかったなぁー、とか思ったりしたんだけど、まあ、もしかしたらあの女子校生活があったから今は何とか精神的にも経済的にも自立できてる人になれたのかなあ、と思ったりする。(もしあのときアバンチュールを楽しんでたら10代で身を持ち崩していたかもしれないし。)
(まあ今じゃあもう女子校には楽しい思い出しかないけどね。友達にも恵まれたし。)

何が言いたいかっていうと、シングルマザーがタフなのといい、女子校出身者がリーダーシップがあるのといい、いわゆる甘やかされた環境ではなく逆境を経験してきた人は、おのずと時代を生き抜くスキルや強いメンタリティが備わってくるということ。まさに、ANAのように、「鍛えられた翼は強い」んです。
人生は長い。立場は常に変化し続けます。今は逆境と思われる環境にあっても、数年後にはあの状況があったから強くなって今の(好ましい)自分があるってきっと思っていることでしょう。
ANAとは対照的に、例えば10数年前に新卒でJALに採用されて俺たちは勝ち組だなんて叫んでた同世代の人たちは今じゃリストラされていて大企業で10年以上も甘やかされてたもんだから次の就職口がなかなかないってのは数年前によく聞いた話です。

これは子育てブログなんでまあ子育てネタに無理やり絡めると、今日本中をひそかに席巻していると聞く、フォアグラあひる家族。
例えば、結婚/出産/育児費用から住宅ローンの頭金、はたまた海外旅行の費用までも親に支払ってもらい、都合が悪くなると子どもの面倒は近くに住む親に丸投げ、30代を過ぎてもこのように精神的にも経済的にも親に依存しきった状態という、まあ、はたから見ればなんとも恵まれているように見える人たち。
一方で生きぬく力や思考能力を奪われ、まるで、その姿はパイプで餌を与え続けられるフォアグラあひるのよう(勝手に命名しました)。
そしてそのフォアグラ遺伝子は、そういう親の姿をずっと見てきた子どもたちにも受け継がれ自立できない子どもを量産していきます。

逆にそういう環境にない人たちは、頭を使い、知恵やお金を使って、場合によってはそのお金を得るために努力してキャリアアップなんかしてしまったりして何とか逆境を打開しようとします。
今恵まれていることは将来に渡ってずっと恵まれていることを約束するものではありませんが、今の苦労は確実に自分の生き抜く力を強くしています。

私ももういろんな課題にさらされていて毎日あっぷあっぷみたいな感じですが、
「鍛えられた翼は強い。」この言葉いま呪文のように唱えてます。ああ、何度聞いてもいい言葉だわ。